海外ドラマで英語勉強

英語を勉強する方法は多々ありますが、私がおすすめするのは洋物ドラマで勉強する方法です。日本語吹き替え版で楽しんだドラマを改めて英語で見直してみるのです。話は大体判ってますから英語で見ても全く意味が判らないと言うような事は無いはずです。所々でも理解できれば良いんです。そんな中でもオススメのフレーズがあります。それを解説するのがこのブログです。

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」 その5

海外ドラマで英語を学ぼう

 

トム・パリスとハリー・キムが初めてヴォイジャーに乗り込むシーンです

 

二人はまず医療室(sick bay)に行きます。

 

船などでお医者さんがいる所、吹き替えでは医療室と言っていますが普通の言葉で言えば医務室ですかね、は Sick Bay(スィックベイ)と言います。

 

トムとハリーが医療室に入っていくとドクターが言います。

 

吹き替え:「君は誰だね?」

英語:"Can I help you?"(直訳すれば「私に貴方を助けられますか?」)

 

"Can I help you?" は定番フレーズですね。

 

お店にお客さんが入ってきた時に店員がお客さんに掛ける言葉がこれです。「何かお手伝いしましょうか?」、「御用は何ですか?」のようにお客さんや訪問者に対して声を掛ける時の言葉です。「何かお手伝いが必要ですか?」みたいなニュアンスですかね。

 

つまり英語版では医療室に入ってきた二人に対して非常に妥当な対応であり、「君は誰だね?」の様な失礼な対応ではありません(少なくとも文字面では)。

 

ですが実際はトムの過去の事件等を知っており凄く嫌な感じでトムに接します。トムが名前を名乗ると「なるほど、例のオブザーバーね」みたいな感じで意味ありげに不快感をあらわにします。

 

そこでトムの一言。

吹き替え:私がオブザーバーとして参加することに何か問題でもありますか?ドクター。」

英語:"As a matter of fact, I seem to be observing some kind of problem right now..., Doctor."(「どうやら私はたった今ある種の問題を目撃しているようですね。ドクター。」)

 

オブザーバー("observer")とはオブザーブ("observe")する人(物)と言う意味です。オブザーブとは見る、観察する、目撃する、観測する、といった様な意味です。単に見ると云うよりはそれに考察が加わった感じでしょうか。物事が正しく遂行されているか監視する人といったニュアンスもあります。

 

ドクターはトムに対して「オブザーバー?ふざけるなこの犯罪者が!」みたいな態度で接しています。トムとしては自分が悪いことは重々承知してはいるものの、一応キャプテンの要請でヴォイジャーに乗船している訳で、あからさまに不愉快な態度をとられるいわれは無いですから「自分は観察する人としてこの船に来たけど、早くも観察(オブザーブ)しちゃったよ!この船の問題を(オブザーバーだけに)!何だお前の態度。」みたいな感じでドクターを牽制した訳です。

 

 吹き替え:「君の事は知っているよ。事件のあった頃私もあの星の病院で勤めていた。」

英語:"I was a surgeon at the hospital on Caldik Prime, the same time you were stationed there." (「私はキャルディック・プライムの病院で軍医をしていた、きみが駐留していたのと同じ時にね。」)

 

キャルディック・プライムは要するに惑星ですね。スター・トレックの中でも登場するのはこの会話だけと思われるので詳しくは判りません。

 

"surgeon" は「外科医」と訳されることが多いと思いますが「軍医」と言う意味もあるので連邦なり艦隊なりの医者と言うことであれば「軍医」の方が適してるかと思いました。

 

英語の会話の中でドクターはトムが事件を起こしたなど一言も言っていません。

 

口に出してはいませんが「お前と同じ時に同じ場所にいたんだからお前が事件を起こしたことは良く知ってるよ」言外に言っているわけです。良く取れば廻りに人もいるので遠回しに言ったともとれますね。

 

 



 

 

医療室から出た廊下でハリーがトムに言います。

 

吹き替え:「事件て何?」

英語:"What was that all about?"(「今の一体何だったの?」)

 

英語では「事件」と言うワードは出てきてませんからハリーとしては医療室でのドクターとトムの険悪かつ意味ありげなやりとりが何だったのかさっぱり判らず「何、何、何。何かあった?」みたいな感じで聞いたわけです。

 

"What was that all about?"

何か良く判らないことが起きたら使いましょう。

 

例えば知り合いが二人喧嘩をしているところに遭遇しました。片方が行ってしまった後に残った方に近づいて言います "What was that all about?" (「今の何?」「どうかしたの?」みたいな感じですね。)

 

 

今日はこの辺りで。

次回はキャプテンの部屋です。