海外ドラマで英語勉強

英語を勉強する方法は多々ありますが、私がおすすめするのは洋物ドラマで勉強する方法です。日本語吹き替え版で楽しんだドラマを改めて英語で見直してみるのです。話は大体判ってますから英語で見ても全く意味が判らないと言うような事は無いはずです。所々でも理解できれば良いんです。そんな中でもオススメのフレーズがあります。それを解説するのがこのブログです。

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」 その8

海外ドラマで英語を学ぼう

 

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 食堂でトムがトマトスープを注文するシーン

ヴォイジャーがいよいよ出発した直後のシーンです。

 

食堂にトム・パリスが入ってきてレプリケータートマトスープを注文(?)します。

レプリケーターは14種類のトマトスープの用意があると言います。レプリケーターが米入り、野菜入り等の種類を言い始めるとトムが遮ります。

 

吹き替え:トム「普通の!」

英語:"Plain."(「シンプルなやつ」)

 

日本では「プレーンヨーグルト」なんかでお馴染みの言葉です(発音的には「プレイン」という感じです)。

 

"Plain"には色々な意味がありますがこの場合は「飾り気のない」「単純な」「シンプルな」「質素な」「簡素な」「無地の」などが意味的には当てはまるります。

 

日本語訳として「普通の」は判りやすいですが"Plain"には特段「普通」と言う意味合いはないと思います。

 

吹き替え:レプリケーター「ホットですか?コールドですか?」

英語:"Specify hot or chilled."(「熱いスープか、冷たいスープかを明確に」)

 

"specify"は「詳細に」とか「明確に」といった意味で、熱いスープか冷たいスープか明確にして欲しいという事です。

 

吹き替え版ではやけに愛想がいい感じで「ご一緒にポテトを如何ですか?」とか言い出しそうな感じですが英語版では全く愛想はないです。機械的で、ブリッジなどで流れるコンピューターの声と全く同じニュアンスです。

 

 ハリー・キムのテーブルでは他の乗組員がトム・パリスの悪口をハリーに吹き込んでいる模様。

 

吹き替え:トム「なっ。親切な人が教えてくれただろ。」

英語:"There, you see? I told you it wouldn't take long."(「な、長くは掛からないって言っただろ?」)

 

トムは自身の問題に関して誰かがすぐに教えてくれるよとハリーに以前言っていたので「長くは掛からないって言っただろ?」と言ったのです。

 

"There, you see?" は対した意味はありません。この場合は「な、自分が言った通りだっただろ」みたいなニュアンスですが "you see" は言葉に詰まった時などにつなぎで使われる事が多いのです。日本語でもそんな言葉ありますよね。「あのー」とか「えぇーっと」とか「つまり」とか「だからその」とか。この手の言葉は言い方によってニュアンスが全く変わってくるので(おどおどした感じで言うのか、堂々とした感じで言うのか 等)数多く聞いて経験的に把握するしかないと思います。

 

 


U.S.S.VOYAGER 1/850スケール模型

 

 

ヴォイジャーファンの方に説明は不要と思いますが、一応説明しておくと、トム・パリスは自身が操縦する船で事故を起こし、3名が命を落としました。

事故の後には当然事故の検証が行われるわけですがトムはそこで嘘をついたのです。トムの操縦ミスが事故の原因であったにもかかわらずそうではないと言い、虚偽の報告を提出したらしいです。後になって自ら自身の操縦ミスを認め服役するに至ったのです。

 

 

吹き替え:トム「本当のことを言うとな、最初は口をつぐんで責任逃れをしようとしたんだ。」

英語:"I'll tell you the truth, Harry. All I had to do was keep my mouth shut and I was home free..."(「本当のことを言うよ、ハリー。口をつぐんでさえいればうまく行ったんだ。」)

 

"home free" と言うフレーズが出てきます。これは「(最も難しい部分をやり遂げたから)間違いなくうまく行く、うまく行きそうだ」といったニュアンスの言葉です。

 

自分がミスをして3人の人間が死んだのに、嘘をついて自分はミスをしていないと言い張るというのは非常に苦しいと思いますからそこを乗り越えさえすればうまく行ったと言いたいのだと思います。

 

 

吹き替え:トム「でも駄目だった」

英語:"but I couldn't."(「でも自分には出来なかった。」)

 

 

吹き替え:トム「僕のせいで死んだ3人のクルーが亡霊になって夜な夜な現れ僕を責めるんだ。だから懺悔した。」

英語:"The ghosts of those three dead officers came to me in the middle of the night and taught me the true meaning of Christmas. So I confessed--"(「死んだ3人の士官の幽霊が夜中に自分のところにやって来てクリスマスの本当の意味を教えてくれたんだ。だから告白した。」)

 

まず元の英語の方には「夜な夜な」といった複数回幽霊(亡霊)が現れたといった表現はありません。

 

"confess" は「告白する」「懺悔する」といった意味ですのでどっちでも良いかと思います。

 

「クリスマスの本当の意味」と言う部分は吹き替えでは全くなくなっています。まあ意味が分かりにくいのでもっともかと思います。

 

私はキリスト教徒でもなんでもないので良くは判りませんが、これは恐らくヨハネの「もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる。」という言葉を指すのかなと思います。

  

詳しく知りたい方は「懺悔」「告解」などのキーワードで検索されるといいと思います。こんなページもあります http://www1.cbn.com/devotions/real-meaning-christmas

 

 

吹き替え:トム「だけど悪いことってのは続くものでさ。」

英語:"worst mistake I ever made but not my last."(「人生最悪の間違い、でも最後の間違いじゃない」)

 

英語の方では自分の操縦エラーに関して偽証したのが最大の間違い、だけど最後の間違いじゃない(つまりその後にもやっちまったと言っています)。この手の言い回しは英語ではよくあるものです。

 

 

 吹き替え:トム「宇宙艦隊をクビになった後…」

英語:"After they cashiered me out of Starfleet ..."(「宇宙艦隊を懲戒免職になった後…」)

 

"cashiered" は "cashier" の過去形ですが役人や軍人を罷免する、懲戒免職にするといった意味がありますが、ふとバナナマンの日村さんの「お会計して~!」というギャグを思い出しました。

 

"cashier" という言葉が一番使われるのは「レジ」という意味でだと思います(この場合名詞ですが)。お店のレジ(お会計する場所)の事を "cashier" と言います。日本では「キャッシャー」みたいに言われることが多いですが実際は「キャッシアー」(「シ」が一番強い)という感じで発音します。

 

「お会計して~」の意味を調べたらこんなページがありました。→ Yahoo! 知恵袋

 

トム・パリスは事故を起こし、虚偽の証言をし宇宙艦隊からお会計されちゃったという感じです。ど~でも良いんですがちょっと気になってしまったので書かせてもらいました。

  

この後トムが「ついてないよ」と言う場面がありますが、英語では全く言っていません。

 

 吹き替え:トム「おまえ、僕には近付かない方が良いって忠告されたんだろ?それが利口だよ。僕と居るとツキが逃げてくぞ。」

英語:"Look. I know those guys told you to stay away from me, and you know what? You ought to listen to them. I'm not exactly a good-luck charm."(「なあ、あいつらが僕には近寄らない方が良いと言ったのは判ってる。知ってる?あいつらの言うことを聞いたほうが良いよ。僕は決して幸運のお守りではないからね。」)

 

ちょっと直訳的な感じにしてみました。

 

"Look" は「なあ」みたいな呼びかけで大した意味はありません。

 

"you know what?" はこれから本題が始まる事を予感させる言葉とでも言いましょうか、ちょっと大げさに言えば「今から貴方に言おうと思っている事があるのですがそれが何か判りますか?」といった感じでしょうか。

 

"good-luck charm" は、例えばお守りのように、何か良いことをもたらすとされている物の事です。

 

お守りと限らず、服装とか小物とかでもそれを身に着けていると上手くいくみたいなアイテムであれば使えると思います。

 

次回はヴォイジャーがいよいよバッドランドに向かうシーンになる予定です。