海外ドラマで英語勉強

英語を勉強する方法は多々ありますが、私がおすすめするのは洋物ドラマで勉強する方法です。日本語吹き替え版で楽しんだドラマを改めて英語で見直してみるのです。話は大体判ってますから英語で見ても全く意味が判らないと言うような事は無いはずです。所々でも理解できれば良いんです。そんな中でもオススメのフレーズがあります。それを解説するのがこのブログです。

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」

何故に「スター・トレック」?

 

ごもっともなご意見です。

 

英語を勉強するのにはもっとふさわしいドラマがありそうですが、まずは自分の趣味を優先して選ばせて貰いました。

 

最初の記事に書いた通り「大好きな」ドラマで学ぶのが大事なので私が大好きな「スター・トレック」を最初の題材とさせて頂いた次第で…。

 

やはり書く側としてもある程度自信がある題材でないと不安なのでお付き合いください。

 

 

非日常的な単語目白押しの「スター・トレック」シリーズですが、いやいやどうして使えるフレーズも満載です。

 

最初の戦闘シーンは慌ただしいのでまずはジェインウェイが刑務所に入っているトム・パリスをスカウトに行くシーンから行きましょう。

 

■びっくりする程違います■

吹替版の日本語と元の英語のセリフは細かいことを言えばびっくりする程違います。細かくやっていったら大変ですが、とりあえず最初だけでもトライしてみようかと。

 

 

吹き替え:「私はジェインウェイ」

英語:"Kathryn Janeway."(「キャスリン・ジェインウェイよ」)

 

日本語では名字しか言ってませんが英語ではフルネームを言ってます。しかし "I'm Kathryn Janeway."(「私はキャスリン・ジェインウェイよ」)ではなく名前だけ言う感じが上から目線というか、自分が上役だという事を明確にしている感じがします。

 

 

 

吹き替え:「アル・バターニでは貴方のお父さんの部下だったわ」

英語:"I served with your father on the Al-Batani."(「アル・バターニで貴方のお父さんと共に仕えたわ」)

 

"serve"は「仕える」「奉仕する」といった感じの意味ですね。"I served your father"だったら「貴方のお父さんに仕えた」つまり部下だったと捉えられますが "I served with your father" 、つまり"with"(「共に」のような意味合いですね)が入っているので「貴方のお父さんと共に仕えた」、つまり連邦政府若しくは宇宙艦隊に仕えたという事であって、特段部下だったとは言っていません(実際は部下でしたが)。日常会話的に言えば「貴方のお父さんとはアル・バターニで一緒に仕事したわ」と言う感じですね。

 

 

 

吹き替え:「貴方に話があって来たの」

英語:"I wonder if we could go somewhere and talk?"(「どこかへ行って話せないかしら?」)

 

これは意訳とかではなく「貴方に話があって来たの」の方が自然な流れかなと思ってのことと思います。ニュアンス的には「ちょっと抜けられる?」のような感じでしょうか。ここでなく別のところで話できるかな、みたいな。

 

 

 

吹き替え:「話って?」

英語:"About what?"(「何に関して?」)

 

相手の"I wonder if we could go somewhere and talk?" の最後の"talk"、つまり話をしたいと言う部分をとって "Talk about what?"(「何に関して話ししたいの?」)と言っているのですが相手の言葉の最後が "talk" なので敢えて "Talk" を省いて "About what?"と言っています。

"I wonder if we could go somewhere and (talk 【about what?】)"

"Talk about what?"  → "(Talk) About what?"

 相手が言った最後の言葉からつなげて返答してるんです。

 

吹き替え:「私のところで仕事する気はない?」

英語:"About a job we'd like you to do for us."(「我々のために貴方にやって欲しい仕事に関して」)

 

これも相手の「何に関して?」という問いかけに対して「~に関してだ」と応えるような文章です。

"I wonder if we could go somewhere and talk?"

"(Talk) about what?"(「何に関して話したいの?」)

"(I'd like to talk) about a job we'd like you to do for us."(「我々の為に貴方にやって欲しい仕事に関して話したいの」)

 

お互い相手の言葉尻を利用してポンポンポンと会話が進んで行く感じですね。

  

 

 

 

 

吹き替え:「仕事なら毎日やってますよ。強制労働ね。」

英語:"Im already doing a job...for the Federation."(「私は既に仕事をしてますよ…連邦の為にね」)

 

ジェインウェイが頼みに来ている仕事はトムに連邦の為にヴォイジャーの任務に同行して欲しいということですから「俺は既に仕事してるよ、連邦の為にね」(刑務所での仕事は社会奉仕、言ってみれば連邦の為の仕事なので)と皮肉を込めて言ったわけです。

 

 

 

吹き替え:「囚人管理委員会にこの話を持ち掛けたら快く許可してくれたわ。後はあなた次第よ。」

英語:"I've been told the Rehab Commision is very pleased with your work. They've given me their approval to discuss this matter with you."(「私は更生委員会は貴方の仕事にとても歓んでいると聞いています。彼らはこの件に関して貴方と話し合うことを許可してくれたわ。」)

 

「更生」と書きましたが実際に言っているのは「Rehab」、つまりリハビリテーションの事です。日本語的にはリハビリテーションと云うと怪我をした人とか病後の人が身体を元に戻すために行う運動みたいなイメージですが実際の意味は「更生」とか「社会復帰」とかいった意味です。病気のみならず犯罪者の社会復帰、アルコールや薬物依存者の社会復帰の為の活動もリハビリテーションとなります。

 

つまりこの場合トムは模範囚なのでジェインウェイと話すことを許可されたという事です。日本語吹き替えではその辺りのニュアンスが全くなくなっています。

 

 

 

吹き替え:「お父様にはお世話になったわ」

英語:"Your father taught me a great deal."(「貴方のお父さんは私に沢山の事を教えてくれたわ」)

 

「貴方のお父さんには色々教わった」という感じですね。

「お世話になった」と比べると自分を卑下する感じが少ないように思います。単に貴方のお父さんは良い人で自分のことを気にかけてくれたと言う感じでなく、有能な先輩で自分に色々教えてくれたといった、より具体的な尊敬の念が感じられる気がします。

 

 

 

吹き替え:「じゃあ優秀なんだ」

英語:"You must be good."(「貴方は優秀に違いない」)

 

英語の授業で習った "must" の意味からすると直訳的には「貴方は優秀でなければならない」と考えがちですが "must be ~" は多くの場合「~に違いない」、「~の筈」といった意味です。

 

 

 

今日はここまで。

 

次回にご期待下さい!