海外ドラマで英語勉強

英語を勉強する方法は多々ありますが、私がおすすめするのは洋物ドラマで勉強する方法です。日本語吹き替え版で楽しんだドラマを改めて英語で見直してみるのです。話は大体判ってますから英語で見ても全く意味が判らないと言うような事は無いはずです。所々でも理解できれば良いんです。そんな中でもオススメのフレーズがあります。それを解説するのがこのブログです。

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」 その4

海外ドラマで英語を学ぼう

 

DS9のクワークのバーでハリーとトムが再会するシーン

吹き替え:「これはこれは、お客さんピカピカの新人だね?いつ見ても良いねぇ。前途有望な若者ってのは。ご両親もさぞかし鼻が高いだろうね。どうだい、今日の記念にひとつ。」

英語:"If I may say so, it's been my special pleasure to see many new officers like yourself come through these portals. Your parents must be very proud, my boy. You know, on an occasion like this... 

 

英語ではクワークはまず "If I may say so" と言っています。これは目上の人に丁寧に言う場合とか遠慮して言う場合に用いられる言葉です。

 

「私がそう申し上げて宜しければ」みたいな意味です。内容的には吹き替えも元の英語も似たような感じですが、ニュアンスとしては英語のほうが丁寧な印象がします。

 

英語には敬語がない、みたいに良く言いますが英語にも丁寧な言い方はあります。

 

最も単純なのが語尾に"sir" 若しくは "ma'am" 付けるというものです。通常 "sir" は相手が男性の場合、"ma'am" は女性の場合使います。時と場合によりけりで、特に"ma'am"(madamの略)は年配女性を連想させるので使わないほうが安全という説もありますので無理に使わない方が良いかもしれません。

 

少なくとも"sir" は結構使われます。例えば全然知らない人に話しかけるとき(道を聞きたいとか、時間を聞きたいとか)日本では「すいません」ですが、英語圏であれば "Sir" と話しかけることがよくあります(勿論 "Excuse me." 若しくは "Excuse me, sir." と話しかけてもOKです)。見知らぬ人に話し掛けるにあたって敬意を表した呼びかけです。

 

基本的には目上の人間(会社の上司とか軍の上官等)とか丁寧に接したい相手に対してしゃべるとき "sir" を語尾に付け加えます。"Can I borrow a pen, sir?" (「ペンをお借りできますか?」)とか、"Thank you, sir." (「ありがとうございます」)みたいに使います。

 



 

元のクワークのセリフに戻りますが、"If I may say so" も言ってみれば英語版の丁寧語のひとつと言って良いと思います。

 

通常このフレーズが使われるのはちょっと言いにくい事を言う場合が多いです。例えば目上の人の意見に反対したり、批判的な事を言う場合などによく使われます。「私がそう申し上げて宜しければ」のような意味と書きましたが、日本語で言えば「僭越ですが」とかに近いかもしれません。

 

もっと短い "If I may" も良く使います。自分が相手に対して何か提案したり、意見を述べたりする際に丁寧な印象を付け加えます。

 

クワークの場合特に言いにくいことを言っている訳ではありませんが "If I may say so" と言うへりくだった表現を使うことで印象を良くしようとしたのではないでしょうか。何せ彼は商売人ですから。

 

それに比べて日本語吹き替えはちょっと尊大な印象を受けます。元の英語版のクワークは少なくとも言葉としてはもう少し丁寧な感じがします。口先は丁寧でも腹の中ではお金のことしか考えていないみたいな感じが日本語吹き替えでは若干減っているかなと思いました。

 

今回はちょっと短いですがいよいよ次回はトムがヴォイジャーに乗り込みます。