海外ドラマで英語勉強

英語を勉強する方法は多々ありますが、私がおすすめするのは洋物ドラマで勉強する方法です。日本語吹き替え版で楽しんだドラマを改めて英語で見直してみるのです。話は大体判ってますから英語で見ても全く意味が判らないと言うような事は無いはずです。所々でも理解できれば良いんです。そんな中でもオススメのフレーズがあります。それを解説するのがこのブログです。

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」 その2

海外ドラマで英語を学ぼう

 

ジェインウェイがトム・パリスをスカウトする場面の続きです

 

吹き替え:「任務というのは行方不明のマキの捜索よ。バッドランド付近で姿を消したの。」

英語:"I'm leaving on a mission to find a Maquis ship that disappeared in the Badlands a week ago."(「私は一週間前にバッドランズで姿を消したマキの船を探す任務に出発するの。」)

 

吹き替えでは「バッドランド」と言ってますが元は「バッドランズ」と複数形ですね。どうでも良いですけど。

 

この文章はまさに中学とかで習った関係代名詞を使った文章ですね。

 

関係代名詞を使わないとこの文章は2つの文章に別れます。

① I'm leaving on a mission to find a Maquis ship.

 「私はマキの船を探す任務に出発します。」

② A Maquis ship disappeared in the Badlands a week ago.

 「一隻のマキの船がバッドランズで一週間前に姿を消しました。」

 

この2文を関係代名詞 "that" を用いて1つの文章にまとめた訳ですが、関係代名詞を使った文章って日本語にするとちょっと長くて判りにくくなりがちです(特に口語としては)。

 

多分そんなこともあって吹き替えのような文章に変えたのでしょう。

 

※ 因みに私は文法は得意ではないので文法に関する話はたまにしか出てこないと思います。

 

 

 

吹き替え:「気が乗らないなあ。」

英語:"I wouldn't, if I were you."(「私が貴方だったら行かないね。」)

 

この2つは大分違いますよね。

 

吹き替えの「気が乗らないなあ。」は自分は行きたくないといったニュアンスですが、元の英語はあくまで他人事として「行かない方が良いんじゃない」「行かない方が身のためだと思うよ」という客観的な意見です。

 

これはこの前のジェインウェイの発言の吹替版と原文の違いが関係していると思います。

 

吹き替えではこう言いました「任務というのは行方不明のマキの捜索よ」。つまりこの時点で既にトムに捜索を手伝って欲しいと言うことをほぼほぼ明確にしていますよね。ですが元の英語版では「自分はこれから捜索の任務に出発する」と言うことしか言っていません。勿論その後に「貴方に同行して欲しい」と来るのはほぼ見えてはいますが発言内容としてはあくまで自分がこれから何をするかと言うことのみ述べています。

 

つまり

日本語:「貴方の任務は○○○だ」 → 「気が乗らないなあ。」

英語:「私はこれから○○○をするつもりだ」 → 「やめといた方が良いよ」

という感じですね。

 

因みに "I wouldn't, if I were you." (「私が貴方だったらやらない」)は「やめといた方が良いと思うよ」「自分だったらやらないね」等と言うときの決まり文句なので覚えておくと便利だと思います。

 

  

 

吹き替え:「僕が昔マキにいたことがあるからですか?」

英語:"You'd like me to lead you to my former colleagues."(「私の元の同僚のところに貴方を連れて行って欲しいと云うことですね。」)

 

言葉の内容としては全く違います。

 

 



 

吹き替え:「何でまたそこまでして探すんですか?」

英語:"What's so important about this particular Maquis ship?"(「その特定のマキの船の何がそんなに重要なんですか?」)

 

 

 

吹き替え:「部下がその船にスパイとして潜入しているの。」

英語:"My Chief of Security was on board -- undercover."(「私の保安主任がその船に乗っていたの。内密に(スパイとして)。」)

 

日本語訳はいたってシンプルですね。

 

"undercover" はつまり「カバー(覆い)の下」と云う感じです。

つまり連邦の人間でありながら「テロリスト」という覆いと云うか仮面を被って潜り込むといったニュアンスです。潜入など指す言葉ですが直訳で意味を考えると一見「スパイ」「潜入」とは全く違って見える "undercover" が何故そのような意味になるのか理解しやすいのでははいでしょうか。

 

 

トムがチャコティとトムの関係性に関して語るくだりは英語のセリフには全く無い「チャコティの方が自分を嫌っている」という内容が加わってますがそれ以外はほぼ同じと言って良いと思います。

 

 

 

吹き替え:「但し見返りにもよりますけどね。」

英語:"All I need to know from you is what's in it for me?"(「私が貴方から聞きたい(知りたい)のは私にどんなメリットがあるかと云うことだけです。」)

 

"what's in it for me" は「その中に私の為に何があるか」という意味ですね。この危険な任務に同行したとして自分にどんな得があるのか聞いています。決まり文句ですが日本語ではこういう表現方法はあまりしませんよね。

 

 

ジェインウェイの「この任務が終わったらそれっきり。」に応えてトムが言います。

吹き替え:「そんなとこでしょうね。」

英語:"Story of my life."(「いつものことです。」)

 

"Story of my life" はちょっと訳すのが難しいフレーズです。直訳すれば「私の人生の話(物語)」みたいな感じですが意味合いとしては「どうせ自分はそんな運命だ」みたいなニュアンスですかね。過去に何度も起こったのと同じような事が再び起きた時なんかに使います。通常悪いことが起きた時に使います。トムは宇宙艦隊をクビになり、マキに入ったらすぐに逮捕され、そして今回新たな任務に召喚されましたがそれも任務が終わったらそれっきりですから「俺の人生いつもそうなんだよ」みたいな感じで言っています。

 

このフレーズを使いこなしたらちょっとかっこいいかもしれませんね。

 

 

 これでジェインウェイがトム・パリスをスカウトする場面は終わりです。

 

次回はいよいよ宇宙に向かう場面になる予定です。

 

 

 

スター・トレック ヴォイジャー シーズン1 #1 「遥かなる地球へ」

何故に「スター・トレック」?

 

ごもっともなご意見です。

 

英語を勉強するのにはもっとふさわしいドラマがありそうですが、まずは自分の趣味を優先して選ばせて貰いました。

 

最初の記事に書いた通り「大好きな」ドラマで学ぶのが大事なので私が大好きな「スター・トレック」を最初の題材とさせて頂いた次第で…。

 

やはり書く側としてもある程度自信がある題材でないと不安なのでお付き合いください。

 

 

非日常的な単語目白押しの「スター・トレック」シリーズですが、いやいやどうして使えるフレーズも満載です。

 

最初の戦闘シーンは慌ただしいのでまずはジェインウェイが刑務所に入っているトム・パリスをスカウトに行くシーンから行きましょう。

 

■びっくりする程違います■

吹替版の日本語と元の英語のセリフは細かいことを言えばびっくりする程違います。細かくやっていったら大変ですが、とりあえず最初だけでもトライしてみようかと。

 

 

吹き替え:「私はジェインウェイ」

英語:"Kathryn Janeway."(「キャスリン・ジェインウェイよ」)

 

日本語では名字しか言ってませんが英語ではフルネームを言ってます。しかし "I'm Kathryn Janeway."(「私はキャスリン・ジェインウェイよ」)ではなく名前だけ言う感じが上から目線というか、自分が上役だという事を明確にしている感じがします。

 

 

 

吹き替え:「アル・バターニでは貴方のお父さんの部下だったわ」

英語:"I served with your father on the Al-Batani."(「アル・バターニで貴方のお父さんと共に仕えたわ」)

 

"serve"は「仕える」「奉仕する」といった感じの意味ですね。"I served your father"だったら「貴方のお父さんに仕えた」つまり部下だったと捉えられますが "I served with your father" 、つまり"with"(「共に」のような意味合いですね)が入っているので「貴方のお父さんと共に仕えた」、つまり連邦政府若しくは宇宙艦隊に仕えたという事であって、特段部下だったとは言っていません(実際は部下でしたが)。日常会話的に言えば「貴方のお父さんとはアル・バターニで一緒に仕事したわ」と言う感じですね。

 

 

 

吹き替え:「貴方に話があって来たの」

英語:"I wonder if we could go somewhere and talk?"(「どこかへ行って話せないかしら?」)

 

これは意訳とかではなく「貴方に話があって来たの」の方が自然な流れかなと思ってのことと思います。ニュアンス的には「ちょっと抜けられる?」のような感じでしょうか。ここでなく別のところで話できるかな、みたいな。

 

 

 

吹き替え:「話って?」

英語:"About what?"(「何に関して?」)

 

相手の"I wonder if we could go somewhere and talk?" の最後の"talk"、つまり話をしたいと言う部分をとって "Talk about what?"(「何に関して話ししたいの?」)と言っているのですが相手の言葉の最後が "talk" なので敢えて "Talk" を省いて "About what?"と言っています。

"I wonder if we could go somewhere and (talk 【about what?】)"

"Talk about what?"  → "(Talk) About what?"

 相手が言った最後の言葉からつなげて返答してるんです。

 

吹き替え:「私のところで仕事する気はない?」

英語:"About a job we'd like you to do for us."(「我々のために貴方にやって欲しい仕事に関して」)

 

これも相手の「何に関して?」という問いかけに対して「~に関してだ」と応えるような文章です。

"I wonder if we could go somewhere and talk?"

"(Talk) about what?"(「何に関して話したいの?」)

"(I'd like to talk) about a job we'd like you to do for us."(「我々の為に貴方にやって欲しい仕事に関して話したいの」)

 

お互い相手の言葉尻を利用してポンポンポンと会話が進んで行く感じですね。

  

 

 

 

 

吹き替え:「仕事なら毎日やってますよ。強制労働ね。」

英語:"Im already doing a job...for the Federation."(「私は既に仕事をしてますよ…連邦の為にね」)

 

ジェインウェイが頼みに来ている仕事はトムに連邦の為にヴォイジャーの任務に同行して欲しいということですから「俺は既に仕事してるよ、連邦の為にね」(刑務所での仕事は社会奉仕、言ってみれば連邦の為の仕事なので)と皮肉を込めて言ったわけです。

 

 

 

吹き替え:「囚人管理委員会にこの話を持ち掛けたら快く許可してくれたわ。後はあなた次第よ。」

英語:"I've been told the Rehab Commision is very pleased with your work. They've given me their approval to discuss this matter with you."(「私は更生委員会は貴方の仕事にとても歓んでいると聞いています。彼らはこの件に関して貴方と話し合うことを許可してくれたわ。」)

 

「更生」と書きましたが実際に言っているのは「Rehab」、つまりリハビリテーションの事です。日本語的にはリハビリテーションと云うと怪我をした人とか病後の人が身体を元に戻すために行う運動みたいなイメージですが実際の意味は「更生」とか「社会復帰」とかいった意味です。病気のみならず犯罪者の社会復帰、アルコールや薬物依存者の社会復帰の為の活動もリハビリテーションとなります。

 

つまりこの場合トムは模範囚なのでジェインウェイと話すことを許可されたという事です。日本語吹き替えではその辺りのニュアンスが全くなくなっています。

 

 

 

吹き替え:「お父様にはお世話になったわ」

英語:"Your father taught me a great deal."(「貴方のお父さんは私に沢山の事を教えてくれたわ」)

 

「貴方のお父さんには色々教わった」という感じですね。

「お世話になった」と比べると自分を卑下する感じが少ないように思います。単に貴方のお父さんは良い人で自分のことを気にかけてくれたと言う感じでなく、有能な先輩で自分に色々教えてくれたといった、より具体的な尊敬の念が感じられる気がします。

 

 

 

吹き替え:「じゃあ優秀なんだ」

英語:"You must be good."(「貴方は優秀に違いない」)

 

英語の授業で習った "must" の意味からすると直訳的には「貴方は優秀でなければならない」と考えがちですが "must be ~" は多くの場合「~に違いない」、「~の筈」といった意味です。

 

 

 

今日はここまで。

 

次回にご期待下さい!

 

 

海外ドラマ(映画)で英語を学ぼう!

英語を楽しく学ぶ

海外ドラマを活用しよう

英語を学ぶ方法は沢山あると思いますが中々「楽しく」とはいかないものです。

 

私のオススメの方法は海外ドラマのDVD(ブルーレイ)を活用する方法です。好きなドラマであれば何でも良いですが、何度も繰り返し見たものであれば尚良いです。

 

DVDやブルーレイは日本語・英語両方の音声、両方の字幕が入っているものが多いですから非常に便利です。

 

私が提案するのは大好きなドラマを英語音声で見てみようという単純な方法です。

 

初めて見るドラマや映画を英語音声で見たら何が何だか判らなくて途中で嫌になってしまうかもしれませんが、何回も繰り返し見たドラマであれば既に内容は判っていますから英語で見ても話について行けます。

 

英語字幕を出せば簡単に英文が判るので、お気に入りの場面や、気になるセリフだけでもちょっと覚えてみましょう。

 

意訳に注意

但し日本語の吹き替えや、日本語字幕は必ずしも原文に忠実とは限りません。

 

英語の言い回しや慣用句などをぴったり言い表す日本語が必ず存在するわけではありません。又、字幕の場合であれば画面に表示できる文字数に限りがありますし、そもそも字幕が長すぎては見ている人が読み切れないという問題も出てきます。

 

吹き替えにしても元の英語の文章より大幅に長くなってしまっては口と合わなくなってしまいます。

 

そこで登場するのが意訳です。

 

元の英語のセリフの日本語訳が吹き替えに使われている日本語のセリフとは限りません。また同じ意味であっても日本人が考えもしない表現方法をしている可能性もあります。

 

ダジャレ 語呂合わせ

これらに関してはもはや訳しようがなく、翻訳の方も大変な苦労をされていると思います。「いきなりでてきてごめーん。まことにすいまめーん」(ちょっと古くてすいません)を英語に訳せと言われても無理ですよね。語呂合わせの場合意味を訳したところで語呂が合っていなければ何の意味もありません。今の例で言えばそもそも「すいまめーん」は日本語として変ですから訳すのは不可能と言って良いでしょう。海外ドラマでも同じように日本語に訳すのが不可能なジョークとか、ちょっとした表現が出てきます。

 

何とか雰囲気を壊さないよう翻訳の方は内容は違っても日本語で語呂が合う寒~いギャグとかをひねり出したりして乗り切っておられます。つまり海外ドラマの吹替版を見ていて寒~いダジャレが出てきたら十中八九このようなケースで、元のセリフとは違っているのです。

 

ドラマのセリフを紹介していきます

これらの事をふまえ、私なりに「元の英語と全然意味違うなー」とか「この言い回しは日本語ではちょっとないよな」とか「このフレーズ使えたらかっこいいな」みたいな英語をドラマからピックアップして紹介したいと思います。あくまで私の気まぐれで選んでいますのでそこはご了承下さい。